【排尿障害】注意が必要なもの、鍼灸が適応となるもの|まとめ
こんにちは!鍼灸師のMIYUです!
今回は『排尿障害』についてお話します。
「トイレが近くなった。」
「若い頃に膀胱炎になりました。」
という方に、もう一度排尿障害のおさらいをしましょう。
また、注意が必要なものやおすすめのツボも紹介します。
今回の流れは↓
- 排尿障害とは
- 注意が必要なもの
- 一般的な『神経因性膀胱』の説明
- 排尿機能および全身調整におススメのツボ紹介
目次
- ○ 排尿障害とは
- ・注意が必要なもの
- ○ 鍼灸が適応となるもの
- ・A)慢性前立腺炎
- ・B)神経因性膀胱
- ○ セルフケアのツボ
- ・(腹部)関元:かんげん
- ・(背部)腎兪:じんゆ
- ・(足部)足三里:あしさんり
- ○ まとめ
排尿障害とは
〈現代医学的な考え方〉
排尿状態の異常には排尿回数の異常、排尿困難、尿失禁などがあります。
排尿困難とは、尿意があるにも関わらず、円滑に排尿できない状態をいいます。
膀胱の収縮力が低下したり、尿道の抵抗が増加すると、尿が出るまでの時間がかかり尿の勢いが弱く、尿腺も細くなり、排尿時間が延長するなど排尿困難が生じます。
また、膀胱内圧が尿道内圧を越えると尿失禁が生じます。
排尿困難の原因には膀胱以下の下部尿路疾患による場合と、神経反射経路の障害による場合(神経因性膀胱)とがあります。
慢性の前立腺や膀胱炎、神経因性膀胱などは程度により鍼灸治療の対象となります。
注意が必要なもの
〈こんな症状に注意してください〉
①50歳以上の男性で夜間の頻尿と排尿障害がある場合
→前立腺肥大症や前立腺癌など
②排尿時や会陰部痛と共に発熱がある場合
→急性前立腺炎や尿道炎など
③頻尿や排尿痛および膿尿・血尿など膀胱炎の症状とともに発熱を伴う場合
→腎盂腎炎の合併など
鍼灸が適応となるもの
A)慢性前立腺炎
〈病態〉
前立腺の慢性炎症。
細菌感染によるものと、非細菌性のものがあり、非細菌性のものは難治性が多いです。
〈症状〉
多くは初めから、慢性の経路を通ります。
排尿困難、頻尿、排尿痛、排尿後の不快感、会陰部の疼痛、不快感、重圧感など。
頭痛、倦怠感などの神経症用の症状を訴えることが多いです。
B)神経因性膀胱
〈病態〉
排尿機能に関与する神経系が障害された結果生じる排尿障害、脳血管障害などの脳の障害、頸部脊椎症などの脊椎・脊髄の障害、糖尿病、骨盤内手術後(子宮癌や直腸癌)などの末梢神経の障害により生じます。
〈症状〉
脳血管障害などでは頻尿、夜間尿(夜間睡眠中に覚醒して排尿する)、強い尿意と同時に起こる尿失禁などが症状となります。
骨盤内手術によるものでは、排尿困難が生じます。また尿意を欠いたり、残尿や尿閉が生じることがあります。残尿感が多いときは、一回の排尿量が少ない為、頻尿が生じます。
次にセルフケアで使えるツボを紹介します。
セルフケアのツボ
〈アプローチ〉
自律神経に影響を与え、排尿機能および全身の調節をはかります。
主に下腹部、腰仙部の圧痛、硬結、筋緊張などの反応のある経穴、反応点に鍼灸を施します。
セルフケアでは、紹介するツボを指圧(3秒押す→離す×5回)を行ってください。
(腹部)関元:かんげん
人体の真気や原気が生まれるところです。
奥には小腸と子宮があります。温めましょう。
経絡:任脈
筋肉:腹直筋
血管:下腹壁動・静脈
探し方:前正中線上、臍中央の下方3寸(指4本分)
(背部)腎兪:じんゆ
人体の生命活動や全身の水分調整を司る腎経の主治穴です。
経絡:足の太陽膀胱経
筋肉:脊柱起立筋、広背筋腱膜、腰背腱膜
血管:腰動脈
探し方:第2腰椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方1.5寸
(足部)足三里:あしさんり
胃腸のトラブルでは必ず使用される優秀なツボです。
足の疲れにも使われます。
松尾芭蕉がこのツボにお灸をしながら『奥の細道』を旅したというエピソード付きです☆
経絡:足の陽明胃経
筋肉:前脛骨筋、長趾伸筋、後脛骨筋
血管:前脛骨動・静脈
探し方:膝小僧の外側のくぼみから下に指3本分(2寸)
まとめ
いかがでしたか?
私は【女性専門・出張鍼灸】で千葉県・東京都内中心に活動しております。
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ではまた!
(参考文献)
東洋医学臨床論〈はりきゅう編〉 医道の日本社