【めまい】食欲不振で貧血気味は『気血両虚タイプ』|東洋医学的分類
こんにちは!鍼灸師のMIYUです!
今回は【めまい】について東洋医学的に説明したいと思います。
まず、めまいには2種類あります。
- 回転性めまい…ぐるぐる回る運動性感覚を伴うもの
- めまい感…目の前が暗くなる、ふらふらするまたは揺れる浮動性感覚を伴うもの
回転性のものは内耳や小脳に急激な変化が起きた場合に発症し、浮動性の時は病変が徐々に進行するものや変性新患に多いです。
これらを東洋医学で分類すると
- 肝陽の亢進タイプ
- 痰濁タイプ
- 気血両虚タイプ
- 腎精不足タイプ
このように4タイプあります。
この記事の前半ではあなたのめまいがどのタイプ別に分類できるか簡単なまとめリストと、
記事の後半は3番の気血両虚タイプの方を深掘りしていきます。
なお、めまいに関して注意が必要な症状をまとめた記事はこちらをご覧ください。
目次
- ○ あなたはどのタイプ?
- ・肝陽の亢進タイプ
- ・痰濁タイプ
- ・気血両虚タイプ
- ・腎精不足タイプ
- ○ 気血両虚による眩暈
- ○ 治療穴
- ・百会:ひゃくえ
- ・脾兪:ひゆ
- ・膈兪:かくゆ
- ・足三里:あしさんり
- ・三陰交:さんいんこう
- ○ まとめ
あなたはどのタイプ?
東洋医学では、目がかすんで目の前が暗くなるのを「眩(げん)」といい、ぐるぐるものがまわって見えたり、物が揺れ動いて見えるものを「暈(うん)」と言います。
この2つはよく同時に起こるので、『眩暈』と称しています。
目がかすんで頭がくらくらするものを「目眩(もくげん)」といい、ひどくあたまがくらくらし目の前が暗くなるものを「眩冒(げんぼう)」と言います。
では、早速タイプ診断していきましょう!
めまい以外の特徴をまとめています。
肝陽の亢進タイプ
□頭部の張痛
□イライラ、怒りっぽい
怒りやストレスなどにより肝の循環機能が失調すると肝鬱の状態が起きます。それが改善しないと熱化してさらに肝陰を損傷するようになります。このために肝陽が亢進し、頭目に影響すると眩暈が起こります。
また、腎陰が不足すると肝陰も次第に不足し、そのために肝陽が亢進し眩暈が起こります。
痰濁タイプ
□頭が重くぼんやりする
このタイプの方は、乱れた食生活や過労などが原因になることが多いです。
脾胃を損傷すると運化機能が低下して痰湿が生じます。この痰湿が中焦(胃のあたり)に阻滞しているために清陽が頭部に昇らず、また濁陰が降りないと眩暈が起こります。
気血両虚タイプ
□疲労により誘発または増強する
□横になると軽減する
脾胃虚弱のために気血の生成が悪くなると、気虚のために清陽が頭部にうまく到達できなくなり、また血虚のために脳をうまく栄養できなくなって眩暈が起こります。
また、慢性疾患により気血を消耗したり、吐血、下血、不正性器出血などにより出血過多となっている人にも眩暈が起きます。
腎精不足タイプ
□精神的疲労
□忘れっぽい
□耳鳴りを伴う
腎に蔵されているせいは髄を生じ、脳は『髄海』と言われています。
先天的に腎精が不足している方、老化や房事過多(性行為が多い)などにより腎精が不足している方は「髄海不足」となり、眩暈が起きます。
では、3番目の『気血両虚タイプ』について詳しく見ていきます。
気血両虚による眩暈
〈症状〉
脾は気血の生成を主っていますが、脾虚のため気血の生成が不足し、脳をうまく栄養できないと眩暈が起こります。
動くと増強し、疲れると誘発するという特徴があります。
また心は血を主り、その華は面(顔面)にありますが、血虚のために顔色は白く、唇や爪の血色は淡泊になります。
血虚により不眠、動悸、気虚による息切れ、話すのがおっくうといった症状もみられます。
〈症状〉
・よく眩暈が起こる
・横になると軽減する
・疲れると誘発する
〈その他の症状〉
顔面蒼白、唇や爪の血色は淡泊、息切れ、話すのがおっくう、疲労感、不眠、動悸、食欲不振
〈アプローチ〉
脾胃の機能の向上をはかり、気血の生成を促します。
治療穴
鍼灸治療を施すツボです。セルフケアの場合は指圧や温めてあげましょう♪
百会:ひゃくえ
頭部の陽気が集まるところで、様々な疾患に使われる万能なツボです。
経絡:督脈
血管:浅側頭動・静脈
眼窩上動・静脈
探し方:頭頂部の真ん中、前髪際の後方5寸。つむじの所
脾兪:ひゆ
消化吸収や、栄養を全身に送る調節を司る「脾経」の治療穴。
経絡:足の太陽膀胱経
筋肉:僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋
血管:肋間動脈
探し方:第11胸椎棘突起下縁、後正中線の外方1.5寸
膈兪:かくゆ
血の気が集まるスポット。
血の病や血のめぐりを良くすることに効果的です。
経絡:足の太陽膀胱経
筋肉:僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋
血管:肋間動脈
探し方:第7胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方1.5寸。至陽の隣
足三里:あしさんり
胃腸のトラブルでは必ず使用される優秀なツボです。
足の疲れにも使われます。
松尾芭蕉がこのツボにお灸をしながら『奥の細道』を旅したというエピソード付きです☆
経絡:足の陽明胃経
筋肉:前脛骨筋、長趾伸筋、後脛骨筋
血管:前脛骨動・静脈
探し方:膝小僧の外側のくぼみから下に指3本分(2寸)
三陰交:さんいんこう
婦人科系の悩みの万能ツボです!
このツボは、足の三陰経(脾経、腎経、胆経)が交わると言われており、
主に女性の体全体の【バランス】を整えます。
冷えからくる生理痛や、イライラにも効きます。
経絡:足の太陰脾経
筋肉:長趾屈筋、後脛骨筋
血管:後脛骨動・静脈
探し方:内くるぶしの頂点から上に指幅4本分(3寸)の所、骨の横
まとめ
気血両虚タイプの方は免疫力も下がっているので体調を崩しやすいです。
体調管理より『養生』と『体質改善』の意識から始めてみてください。
私は【女性専門・出張鍼灸】で千葉県・東京都内中心に活動しております。
お手伝いできることがあればご連絡ください。
ご予約の方はLINEからですとご案内がスムーズです!
(ページ下にあります)
ではまた!
(参考文献)
東洋医学臨床論〈はりきゅう編〉 医道の日本社