【咳】咳嗽の分類5タイプ|乾いた咳、喀血は『肺腎陰虚タイプ』|東洋医学的
こんにちは!鍼灸師のMIYUです!
今回のテーマは『咳』についてお話します。
咳は、みなさん風邪を引いたときによく出ると思うので経験ありますよね?
その咳を東洋医学で分類してみました!
今回の構成はこんな感じです。↓
- 5タイプの分類
- その中の『肺腎陰虚タイプ』について深堀
- おススメのツボ3つ紹介
なお、注意が必要な咳症状はこちらをご覧ください。↓
目次
東洋医学的『咳嗽』
〈東洋医学的な考え方〉
咳嗽は肺疾患の主要な症状のひとつです。
咳とは肺気上逆による音をいい、
嗽とは痰液を喀出することを言います。
一般的には有声有痰のものを咳嗽といい、有声無痰のものを咳逆と言います。
咳嗽には急性と慢性があり、前者は外感によりおこり、後者は内傷により起こります。
分類
〈あなたはどのタイプ?〉
●外傷性の咳嗽(急性)
①風寒タイプ
□痰は白く水様
→風寒の邪が肺を犯し、そのために肺の宣散機能が失調し、肺気が上逆すると咳嗽が起こります。
②風熱タイプ
□痰は黄色で粘い
→風熱の邪が肺を犯し、そのために肺の粛降機能が失調し、肺気が上逆すると咳嗽が起こります。
●内傷性の咳嗽(慢性)
①痰湿タイプ
□痰の量は多い
□喀痰しやすい
→脾の運化機能が悪くなると水湿が停滞し痰が生じます。この痰湿が肺に影響して肺の粛降機能が失調すると咳嗽が起こります。
②肝火タイプ
□痰は少なく粘る
□咳をすると胸脇部が痛む
→肝鬱が改善せず化火し、その炎上性により肺にえいきょうし、そのために粛降機能が失調すると咳嗽が起こります。
③肺腎陰虚タイプ
□痰の量は少ない
□乾いた咳
□粘る
→肺陰虚のために燥が生じ、肺が潤いを失って、粛降機能が失調すると咳嗽が起こります。
次に『肺腎陰虚タイプ』を詳しく説明します。
肺腎陰虚による咳嗽
〈病態〉
肺陰が不足し津液を損傷すると燥が生じ、肺が潤いを失い、そのために粛降機能が失調すると乾いた咳が起こります。
津液の損傷および燥により痰の量は少ないという特徴があります。
またこのタイプの咳は肺路を損傷しやすく、肺路が損傷すると痰に血が混じったり、または喀血します。
さらに陰虚のために生じる虚熱により五心煩熱(全身の煩わしい熱のこと)、寝汗などの症状が現れ、また相性関係にある腎の症状を伴います。
〈主な症状〉
・乾いた咳
・痰に血が混じる
・または喀血する
〈その他の症状〉
・潮熱(毎日一定時刻に体温が上昇する)
・寝汗
・五心煩熱
・不眠
・腰膝がだるく力が入らない
などがみられます。
次にセルフケアのツボを紹介します。
治療穴
〈アプローチ〉
肺腎の陰を補い、清熱を測ることを目的に鍼灸を施します。
セルフケアでは、背中を温め、尺沢は指圧(3秒押して離す×5回)を行ってください。
肺兪:はいゆ
ひとつ上に風邪が侵入してくると言われるツボがあります。
肩のこわばりや悪寒の時はこのあたり一帯を温めるといいです。
お仕事中はホッカイロを貼っておきましょう。
経絡:足の太陽膀胱経
筋肉:僧帽筋、大・小菱形筋
血管:肋間動脈
探し方:第3胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方1.5寸
腎兪:じんゆ
人体の生命活動や全身の水分調整を司る腎経の主治穴です。
経絡:足の太陽膀胱経
筋肉:脊柱起立筋、広背筋腱膜、腰背腱膜
血管:腰動脈
探し方:第2腰椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方1.5寸
尺沢:しゃくたく
水の性質を持っており、呼吸器系を司る肺経を治すツボです。
経絡:手の太陰肺経
筋肉:腕橈骨筋、上腕筋
血管:撓側側副動・静脈
探し方:肘窩横紋上、上腕二頭筋腱の外方陥凹部
まとめ
いかがでしたか?
私は【女性専門・出張鍼灸】で千葉県・東京都内中心に活動しております。
お手伝いできることがあればご連絡ください。
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ではまた!
(参考文献)
東洋医学臨床論〈はりきゅう編〉 医道の日本社